「こんにちは」
電話で声を聞いたときは、だれだか、わかりませんでした。
名前を聞いて、一瞬であの頃のことを思い出しました。
中学生のころ、別の校舎で教えていたときから
「保育園の先生になる」と言い続け、ようやく合格通知をもらったと、その報告でした。
公立の保育士さん。
年に2~3人ほどの枠を現役で潜り抜けたそうです。
友人は、どんどん進路を決めていく中、公立は発表を待たなければなりません。
「たいへんだったでしょう?」
そういう私に、
「イングの合宿にたえられたから、だいじょうぶ」
と(苦笑)
受験生に行う、イングの夏期・冬期それぞれの合格力強化特訓に参加していた彼女。
その方がしんどかったそうです。
いろいろなことを覚えていますが、
特によく覚えているのは、本を紹介されたことです。
「君の膵臓を食べたい」
まだ、単行本だったころです。
「もう読んだ?」と聞かれた風景は、脳裏に写真のようにしまわれています。
文庫本になるまで読まないので、と返事をしました。
「先生なら、読んでると思ったのに」と言われ、早く読まなきゃと焦ったのも覚えています。
映画になったり、話題になるずいぶん前です。
そんな風に、読んだ本の話をしたり、楽しいこともたくさんありました。
でも、一番うれしかったのは、生き抜くために必要な強さを、イングの行事を通じて身につけてくれたことです。
わざわざ、転勤していた我々を、探して見つけ出して会いに来てくれたことには、感謝の気持ちでいっぱいです。
うれしかった。ありがとう。
本当によく頑張っているあなたは、私たちの誇りです。
イングの受験生へ。
不安もあるでしょう。やることはわかっているけど、何をやったらいいのかわからない。
そんな気持ちになっているかもしれません。
受験というのは、彼女のような強さを身につける期間でもあるのです。
やるべきことは、冬期学習指導会を通してもお伝えしましたね。
それをどんどん進めましょう。
行動した先には、自信が待っています。
「これからが大変」
先輩は、そういって笑っていましたよ。
社会人になったら、大変に思うことは出てきます。
でも、きっと彼女は大丈夫だし、自分でも大丈夫だとわかっているはずです。
イングの卒業生はみんな立派になります。
だから、今をがんばりましょう。
あなたたちが会いに来てくれるであろう、7年後を楽しみにしています。