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税理士は、会計事務所への就職や転職で強い武器になり、企業の経理でキャリアを一段引き上げる足がかりにもなります。働きながら、あるいは育児や在宅の合間に、将来へつながる資格を一つ積み上げておきたい。そんな思いから通信講座を調べ始めた人が、最初に立ち止まるのは中身の違いよりも「数の多さ」です。
同じ「税理士の通信講座」でも、価格の幅は驚くほど広いです。簿記論と財務諸表論の2科目なら、スタディングのように6万円弱で始められる講座もあれば、教材や答練まで揃えて20万円台後半になるLECのような講座もあります。この差は、講義や演習の量、質問できる回数、教育訓練給付金が使えるかどうかの違いから生まれます。
だからこそ、順位の付いた一覧を上から眺めても答えは出ません。この記事では、受講料・給付金・サポート・合格実績の公表姿勢という切り口で、9社を横並びに見比べられます。
講座に優劣の順位は付けず、目的で選べるようにするのが狙いです。
読み終える頃には、自分の予算と学習スタイルに合う講座が2〜3社まで絞り込めているはずです。順位ではなく目的から選ぶ。そのための判断材料を、次の章から一つずつ確認します。
- 税理士とは|取得のメリットと難易度・勉強時間の目安
- 税理士試験の基本情報
- 税理士の通信講座9社の比較表
- 特におすすめの4講座
- 6つの視点で見る税理士講座の早見表
- 税理士の通信講座9社のレビュー
- スタディング「簿財2科目セット[2027年度合格目標]」
- アガルート「簿財一括ゼロ標準コース[2027年度合格目標]」
- クレアール「2027年合格目標 簿財アドバンスレギュラーコース(初学者対象)Web通信」
- LEC東京リーガルマインド「2027年合格目標 簿財横断プレミアムコース(通信・Webフォロー)」
- 資格の大原「2027年受験対策 初学者一発合格コース 簿記論/財務諸表論 Web通信」
- ネットスクール「2027年度 法人税法標準パーフェクトコース」
- TAC「2027年目標 5月入学 完全合格+上級コース(簿記論・財務諸表論)Web通信」
- 弥生カレッジCMC「税理士(簿記論/財務諸表論)パーフェクトセット」
- 資格試験のFIN「簿財入門コース」
- 目的別に見る税理士講座の選び方
- 科目合格制をどう攻略するか|簿財から税法科目への進め方
- 税理士講座の合格率・合格実績を正しく読む
- 教育訓練給付金で税理士講座の受講料はどこまで下がるか
- 返金保証・再受講割引・合格特典のちがい
- 税理士通信講座のよくある質問
- まとめ|自分に合う税理士講座を絞り込む
税理士とは|取得のメリットと難易度・勉強時間の目安
税理士は、税務の専門家として国家資格に裏打ちされた独占業務を担います。具体的には、納税者に代わって申告や申請を行う税務代理、確定申告書などの税務書類の作成、そして税金に関する相談に応じる税務相談の3つが、税理士だけに認められた仕事です。会計や税務の知識を、資格という国家のお墨付きの形で社会に証明できる点が、この資格の大きな特徴です。
取得のメリットは、働く場所の広さに表れます。会計事務所や税理士法人はもちろん、一般企業の経理・財務部門、さらには独立して自分の事務所を構える道も開けます。5科目すべてに合格していなくても、簿記論や財務諸表論といった科目に受かっているだけで、会計事務所の採用では実務力の裏付けとして評価される場面が多いのも、この資格ならではです。
難易度は国家資格のなかでも高い部類に入ります。試験は科目ごとに実施され、どの科目も合格率は低めに推移しており、簡単に受かる試験ではありません。1年で一気に5科目そろえる人は少なく、数年かけて1科目ずつ積み上げるのが一般的な進み方です。
学習時間の目安も、規模を知っておくと計画が立てやすくなります。5科目の合計では数千時間規模の学習が必要とされ、入口になる簿記論・財務諸表論も1科目あたり数百時間単位の学習を見込んでおく必要があります。
仕事や家庭と両立しながらとなると、学習は数年単位に及びます。だからこそ、途中で息切れしない学習スタイルと、続けやすいサポートのある講座選びが、合格への近道になります。
税理士試験の基本情報
税理士試験は、例年8月に年1回実施される国家試験です。会計科目2つと税法科目3つ、合わせて5科目に合格すると、税理士となる資格要件を満たします。合格の基準は、各科目とも満点の60%です。
大きな特徴は、5科目を一度に受ける必要がない点にあります。1科目ずつ受験でき、合格した科目を積み上げて5科目に達すれば合格者になります。
つまり初年度は簿記論、翌年は財務諸表論と税法、というように、自分のペースで数年かけて積み上げられる仕組みになっています。この科目合格制の攻略法は、後半の専用セクションで詳しく取り上げます。
科目の構成は次のとおりです。多くの人は必須の会計科目から学習を始め、税法科目は自分の目標に合わせて選んでいきます。
- 会計科目:簿記論・財務諸表論(2科目とも必須)
- 税法科目:所得税法・法人税法・相続税法・消費税法・国税徴収法など9科目から3科目を選択(所得税法・法人税法から1科目以上)
受験資格は、受ける科目によって変わります。会計科目の簿記論・財務諸表論は受験資格の制限がなくなり、誰でも受験できるようになりました。税法科目のほうは、学識・資格・職歴のいずれかの条件を満たすことが前提です。
参考として、直近の試験は8月上旬に数日かけて実施されています。申込期間や受験手数料などの細目は、受ける年度に実施団体のサイトで確認してください。
税理士の通信講座9社の比較表
税理士の通信講座は数多くありますが、この記事では知名度が高く、比較検討の候補に挙がりやすい主要9社を取り上げます。受講料・教育訓練給付金・合格実績の公表方法・返金や特典・質問サポートの6項目を、同じ形式でそろえた一覧が下の表です。
気になる列を上から下へ縦にたどると、こだわりたい項目で各社がどう違うのかを見分けやすくなります。受講料は各社の代表的なコースの価格で、プランごとの内訳は後半のレビューで詳しく触れます。数字の背景まで知りたくなったら、そのままレビューへ進んでみてください。
| 講座名 | 受講料(税込) | 教育訓練給付金 | 合格実績の公表方法 | 返金・合格特典 | 質問サポート |
|---|---|---|---|---|---|
| スタディング | 59,800円〜 | 対象 | 累計科目合格者2,000名以上 | 合格お祝い金 | 学習Q&Aチケット制 |
| アガルート | 210,000円(教材込) | 対象コースあり | 合格体験記を掲載 | 再受講割引 | SNS・講師フォロー |
| クレアール | 255,000円 | 対象 | 合格体験記を掲載 | 安心保証(有料)・一部コースに祝い金 | メール質問(回数制限なし) |
| LEC | 272,800円 | 現行コースは案内なし | 合格体験記を掲載 | 合格祝賀金の記載・各種割引 | Zoom・教えてチューター |
| 資格の大原 | 232,000円+入学金6,000円 | 対象コースあり | 官報合格占有率48.5% | 割引制度で対応 | 来校・電話・Mobile-O-hara |
| ネットスクール | 155,800円(教材込) | 対象 | 合格体験記を掲載 | 再受講割引 | 学び舎Q&A・チャット質問 |
| TAC | 各240,000円 | 対象コースあり | 合格者数148名・累計4,242名 | 本科生に1科目無料再受講 | 質問電話・質問メール |
| 弥生カレッジCMC | 66,000円 | 対象案内なし | 提示は控えめ | 常設なし | 無料質問会 |
| 資格試験のFIN | 98,000円 | 対象案内なし | 提示は控えめ | 案内なし | メールで随時質問 |
← 横スクロールできます(スマホ)
受講料は割引前の一般価格(税込)です。割引や給付の適用は、受講する年度のコースで公式サイトを確認してください。
特におすすめの4講座
9社すべてを読み比べる前に、目的がはっきりしている人向けに4つの入口を用意しました。どんな人に向くかを起点に、気になった講座からレビューへ進んでみてください。
| 講座(コース) | こんな人におすすめ |
|---|---|
| スタディング「簿財2科目セット」 | 費用を最優先し、スマホ中心のスキマ時間で簿財2科目を進めたい人 |
| アガルート「簿財一括ゼロ標準コース」 | 簿記の基礎から固めたい初学者。月1回のカウンセリングで学習計画を相談したい人 |
| クレアール「簿財アドバンスレギュラーコース」 | 入学金や教材費・送料まで含めた総額を、先に把握しておきたい人 |
| LEC「簿財横断プレミアムコース」 | 簿記論と財務諸表論を横断で効率よく仕上げたい人。割引制度を使いたい人 |
このなかのどれか一つに強く惹かれたなら、その講座のレビューへ進むのが近道です。逆に迷ったときの受け皿になるのが、6つの視点のどこにも大きな穴がないアガルートです。簿記の基礎講義から入れて、質問や再受講のサポートも標準的にそろっています。
尖った強みで選ぶか、穴のなさで選ぶか。この2つの軸で考えると、候補はぐっと絞りやすくなります。
なお、ここに挙げていない5社にも、それぞれ向いている人がいるはずです。官報合格占有率を公表する大原、ライブ授業があるネットスクール、簿財を低予算で始められる弥生カレッジCMCやFINなど、次の早見表とレビューで立ち位置がはっきりします。
6つの視点で見る税理士講座の早見表
講座選びで迷ったら、6つの視点で各社の位置を見比べると整理しやすくなります。受講料の安さ、教材と講義の充実、質問サポート、返金や特典、合格実績の公表姿勢、そして教育訓練給付金の6つです。まずは、それぞれの◎○△が何を意味するのかを確かめてみてください。
| 視点 | ◎ | ○ | △ |
|---|---|---|---|
| 受講料の安さ | 10万円未満 | 10万〜20万円台 | 20万円超 |
| 教材・講義の充実 | 専用教材+答練+全国模試の総合型 | WEB講義+教材+演習 | 簿財・入門に限定 |
| 質問サポート | 来校・電話・個別コンサル+添削 | 質問対応+Zoom・SNS・添削 | チケット制・回数限定 |
| 返金・特典 | 全額返金や金額明示の祝い金 | 再受講割引・合格祝賀金 | 設定なし |
| 合格実績の公表姿勢 | 合格者数・占有率・報告数を定義付きで公表 | 合格体験記を掲載 | 提示は控えめ |
| 教育訓練給付金 | 対象コースをコース単位で明示 | 対象コースはあるが範囲が一部 | 現行の対象案内なし |
この基準で、9社を1枚に並べたのが次の早見表です。判定は記号だけにして、右端に各社のひとことの強みを添えています。
| 講座名 | 受講料の安さ | 教材・講義 | 質問サポート | 返金・特典 | 合格実績の公表姿勢 | 教育訓練給付金 | ひとことでの強み |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スタディング | ◎ | ○ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | スマホ完結で簿財2科目を低価格に |
| アガルート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 簿記の基礎から入れる初学者向け |
| クレアール | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | 入学金・教材・送料込みの一括型 |
| LEC | △ | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ | 簿財を横断学習+割引制度が豊富 |
| 資格の大原 | △ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ○ | 官報合格占有率を公表・質問対応が手厚い |
| ネットスクール | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ライブ授業+学習コンサルで伴走 |
| TAC | △ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | 合格者数を公表・全国模試と答練が充実 |
| 弥生カレッジCMC | ◎ | △ | ○ | △ | △ | △ | 簿財特化の低価格・最初の一歩に |
| 資格試験のFIN | ◎ | △ | ○ | △ | △ | △ | 簿財入門に特化した低価格コース |
1枚に並べると、言葉での説明が輪郭を持ちます。
- 質問サポートで◎が付くのは、大原とネットスクールの2社です。来校・電話や個別コンサルティングまでそろい、つまずきをその場で解消しやすい体制になっています。
- 合格実績を数値で公表しているのは3社にとどまります。大原の官報合格占有率、スタディングの累計科目合格者数、TACの合格者数で、どれも母数や定義が違うため単純には比べられません。くわしい読み方は合格率のセクションで確かめられます。
- 教育訓練給付金の対象案内がないのは、弥生カレッジCMCとFINの2社(LECは現行の簿財横断コースに案内なし)です。給付は見込めませんが、簿財を低価格で始められるという別の強みがあります。
- 気になる視点に△が付いていても、その項目を重視しないなら候補から外す理由にはなりません。返金や特典を使うつもりがない人にとって、返金・特典の△は減点材料になりません。
税理士の通信講座9社のレビュー
ここからは9社を1社ずつ確認します。概要・料金・スペック表・強み・注意点を同じ型で並べているので、気になる講座だけを拾い読みしても横に比べられます。
スタディング「簿財2科目セット[2027年度合格目標]」
スマートフォンやパソコンだけで学習が完結し、簿記論・財務諸表論の2科目を主要9社のなかでも最安の価格帯から始められる、低価格のデジタル型講座です。まとまった机の時間を取りにくい社会人ほど、その手軽さが効いてきます。
スタディングのプランと料金
簿財2科目は、ミニマムパック59,800円(税込)とアドバンスパック74,800円(税込)が中心で、冊子版教材まで付くフルパック99,800円(税込)もあります。まず簿財に絞って始めるならミニマム、教育訓練給付金の対象や質問チケットの枚数を重視するならアドバンスが候補になります。
税法科目(法人税法・消費税法・相続税法・国税徴収法)は各ミニマム49,800円・アドバンス63,800円・フル87,800円(いずれも税込・2027年度合格目標)です。紙で読みたい場合は、冊子版テキストが別売オプション(簿財2科目のテキスト&問題&理論暗記冊子セット39,800円ほか)で用意されています。
| 受講料(税込) | 簿財2科目セット 59,800円〜(ミニマムパック) |
|---|---|
| 教材・講義 | 動画講義・WEBテキスト・スマート問題集・テーマ別演習・実力テスト・理論暗記ツール・音声。スマホ/PC/タブレット対応で無料お試し登録あり |
| 質問サポート | 学習Q&Aチケット制(パックにより付与枚数が異なり、アドバンス以上で増える)。AI問題復習・学習フロー機能 |
| 返金・合格特典 | 合格お祝い金あり(受講した科目に合格し、アンケートと合格体験談を提出すると1科目10,000円分のデジタルギフト) |
| 合格実績の公表方法 | 2017〜2025年度の累計科目合格者2,000名以上を公表(合格に必要な講義・演習をすべて含むコースの受講者で1科目以上に合格した人の延べ人数) |
| 教育訓練給付金 | 対象(簿財2科目・法人税法・相続税法のアドバンスパックが一般教育訓練給付制度の対象) |
- 簿財2科目6万円弱は、9社のなかでも最安の価格帯。入口の費用を抑えたい人の第一候補です。
- スキマ時間で回せるデジタル教材。動画・スマート問題集・AI問題復習がスマホで完結し、通勤中でも学習を進められます。
- 教育訓練給付金の対象コースがある。アドバンスパックなどが指定講座で、受講料の一部が戻る対象になります(詳しくは給付金のセクションへ)。
- 質問は学習Q&Aのチケット制で、枚数に上限があります。回数を気にせず質問したい人には、物足りなさが残るかもしれません。
- ミニマム・アドバンスパックには紙のテキストが付かず、冊子版はフルパックか別売オプションになります。書き込みながら学びたい人は、オプション費用も見込んでおくと安心できます。
アガルート「簿財一括ゼロ標準コース[2027年度合格目標]」
日商簿記3級・2級レベルの基礎講義から始められる、初学者向けの「ゼロ」コースです。簿記に触れたことがない状態からでも、簿記論・財務諸表論の2科目まで一続きで進める設計になっています。税理士講座の中身はネットスクールが提供しており、この点は選び方のセクションで改めて取り上げます。
アガルートのプランと料金
中心になるのは、簿財一括ゼロ標準コース210,000円(税込・教材込)/178,200円(税込・教材別)です。手元に紙の教材をそろえたいなら教材込、費用を抑えたいなら教材別を選ぶ形になります。
科目を分けて学ぶなら、簿記論ゼロ標準・財務諸表論ゼロ標準が各155,000円(税込・教材込)です。いずれも2027年度合格目標です。給付金を使いたい場合は、一般教育訓練給付制度の対象と案内されている簿財一括標準コースなどを候補にする形になります。
| 受講料(税込) | 簿財一括ゼロ標準コース 210,000円(教材込)/178,200円(教材別) |
|---|---|
| 教材・講義 | 日商簿記3級・2級の基礎講義+ネットスクール刊行教材+WEB講義(ライブ/オンデマンド)。教材込・教材別を選択可 |
| 質問サポート | ライブ講義中のチャット質問、受講生専用SNS「学び舎」、月1回のオンラインカウンセリング |
| 返金・合格特典 | 再受講割引制度。前年と同じコースを半額程度で再受講できる仕組み |
| 合格実績の公表方法 | 合格者の声・合格体験記を掲載(合格者数・合格率の集計値は掲載なし) |
| 教育訓練給付金 | ゼロ標準コースは給付対象の案内なし(簿財一括標準コースなどが一般教育訓練給付制度の対象) |
- 簿記の基礎講義から入れる、数少ない初学者設計。日商簿記3級・2級レベルから積み上げるので、簿記が初めてでも取り残されにくい構成です。
- 6つの視点に△がなく、穴が少ない安定型。費用・教材・サポートのどれも平均以上で、迷ったときの受け皿になります。
- 月1回のオンラインカウンセリング。学習の進み具合に合わせて講師に学習プランを相談でき、初学者がつまずきやすい時期を乗り越えやすくなります。
- 講座の中身はネットスクールが提供しています。刊行教材やサポートの仕組みが共通するため、両社の違いは価格や付随サービスで見極めることになります(アガルートとネットスクールのセクションへ)。
- 合格者数や合格率といった数値は公表しておらず、判断材料は合格体験記が中心になります。
クレアール「2027年合格目標 簿財アドバンスレギュラーコース(初学者対象)Web通信」
入学金・教材費・送料まで受講料に含んだ一括型で、簿記論・財務諸表論の2科目を一般価格255,000円(税込)で学べる初学者向けのWeb通信です。追加費用が読みやすいので、総額で講座を比べたい人に向いています。
クレアールのプランと料金
中心は、簿財アドバンスレギュラーコース 一般価格255,000円(税込)で、入学金・教材費・送料まで価格に含まれます。税法まで見据えるなら、科目別レギュラーを組み合わせる形です。
簿記論・財務諸表論が各196,000円、法人税法が237,000円、相続税法が202,000円、消費税法が143,000円(すべて一般価格・税込)です。まず簿財を固めてから、税法科目を1つずつ積み増していけます。
| 受講料(税込) | 簿財アドバンスレギュラーコース 255,000円(一般価格)。入学金・教材・送料込み |
|---|---|
| 教材・講義 | Web通信。Web講義+PDF教材(音声ダウンロード可)。教材・送料込みで、サンプル講義や受講生ポータルあり |
| 質問サポート | 「受講生Q&A」でメールから講師に質問可能(受講期間内は回数制限なし)。受講相談は電話・ネットで対応 |
| 返金・合格特典 | 有料オプション「安心保証」35,000円を用意。セーフティコース・複数年コースは合格お祝い金(1科目30,000円〜)の対象 |
| 合格実績の公表方法 | 合格体験記を掲載(合格者数・合格率の集計値は掲載なし) |
| 教育訓練給付金 | 対象(簿財アドバンスレギュラー通信、法人税法・消費税法のレギュラー通信講座が指定講座) |
- 入学金・教材・送料を含んだ総額提示。あとから教材費が上乗せされる心配がなく、支払う金額を先に把握できます。
- 時期によって割引価格が設定されることがある。入学金や教材費込みの一般価格から割り引かれるので、申込時期が合えば負担をさらに抑えられます。
- 給付金の対象コースがある。簿財アドバンスレギュラー通信などが指定講座で、負担の軽減を狙えます。
- 割引価格には適用期限があります。受講する年度のコースで、期限内に申し込めるかを公式サイトで確認してください。
- 「安心保証」は無料の返金保証ではなく、35,000円の有料オプションです。付けるかどうかは、再挑戦の可能性と費用を見比べて判断することになります。
LEC東京リーガルマインド「2027年合格目標 簿財横断プレミアムコース(通信・Webフォロー)」
簿記論と財務諸表論を横断して学ぶ初学者向けコースです。答練や模試を含むプランがあり、講師のZoom生配信やメール感覚で使える質問制度も用意されています。割引制度の種類が多いのも、この講座の持ち味になります。
LECのプランと料金
中心は、簿財横断プレミアムコース 通信Webフォロー 一般価格272,800円(税込)です。DVDフォロー版は347,600円(税込)で、教室やDVDが必要な人はこちらを選びます。
税法はパーフェクトコース(Web)で、法人税法149,600円ほか科目別の設定です。恒常的な割引として、同一科目再受講30%・LEC税理士受講生20%・他社受講生15%・資格受験者10%が設定されており、条件に当てはまれば負担を下げられます。
| 受講料(税込) | 簿財横断プレミアムコース 通信Webフォロー 272,800円(一般価格) |
|---|---|
| 教材・講義 | 簿記論・財務諸表論の横断カリキュラム。Web・スマホ受講、音声/動画ダウンロード、答練・模試を含むプランあり。DVD版も選択可 |
| 質問サポート | 24時間メール感覚で質問できる「教えてチューター」、講師による月1回のZOOM生配信 |
| 返金・合格特典 | パーフェクトコース等に合格祝賀金(1科目最高2万円)の記載あり。同一科目再受講30%ほか各種割引 |
| 合格実績の公表方法 | 合格体験記を掲載(合格者数・合格率の集計値は掲載なし) |
| 教育訓練給付金 | 現行の簿財横断プレミアムコースは対象案内なし(利用可否は厚生労働省の検索システムで確認) |
- 簿記論と財務諸表論を横断で学べる設計。関連の深い2科目をまとめて回すことで、理解の相乗効果を狙えます。
- 割引の種類が豊富。再受講・受講生・他社受講生・資格受験者と条件が幅広く、当てはまる人は代表価格より安く申し込めます。
- Zoom生配信とメール感覚の質問制度。通信でも講師とのやり取りがあり、独学に近い孤独感を避けやすくなります。
- 現行の簿財横断コースは、給付金の対象案内が見当たりません。利用したい場合は、厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムで対象講座を確かめてください。
- 代表価格は予備校型のなかでは高めの帯です。割引が使えるかどうかで、実際の負担は変わってきます。
資格の大原「2027年受験対策 初学者一発合格コース 簿記論/財務諸表論 Web通信」
官報合格占有率を公表している実績校です。計算・理論から直前対策・公開模試まで一通りそろう総合教材と、来校・電話・Webを組み合わせた複線の質問対応が持ち味になります。
資格の大原のプランと料金
中心は、初学者一発合格コース 簿記論/財務諸表論 各232,000円(税込)+初回入学金6,000円(税込)(5月開講・Web通信)です。1科目ずつ着実に固めたい初学者に向いています。
税法は9月開講で、消費税法157,000円、法人税法256,000円ほか科目別の設定です。複数科目セットや継続割引といった割引制度もあり、条件が合えば実質負担を抑えられます。
| 受講料(税込) | 初学者一発合格コース 簿記論/財務諸表論 各232,000円 |
|---|---|
| 教材・講義 | 計算テキスト・計算問題集・ミニテスト・直前対策テキスト・過去試験問題集・実力判定公開模擬試験など。Web通信/DVD通信/資料通信から選択 |
| 質問サポート | 来校・電話・Mobile-O-haraでの質問、採点問題、教室振替が可能な答練、自習室利用 |
| 返金・合格特典 | 返金保証の設定なし。複数科目セット・継続割引などの割引制度で対応 |
| 合格実績の公表方法 | 2025年度(第75回)官報合格占有率48.5%を公表(全国大原グループ・合格に必要な授業や模試等を含むコースを受験科目の過半数受講した者ベース) |
| 教育訓練給付金 | 対象コースあり(税理士講座の一部が指定講座・対象コースは公式のコース検索で確認) |
- 官報合格占有率を、算定条件つきで公表する数少ない1社。2025年度は48.5%と示し、母数の定義まで開示している点に姿勢が表れています。
- 質問手段の多い複線サポート。来校・電話・Webに加え、採点問題や答練の教室振替まであり、つまずきの解消手段が豊富です。
- 演習・模試まで含む総合教材。計算と理論の両輪に直前対策と公開模試が付き、本試験までの流れを一つの教材で追えます。
- 代表コースは1科目単位で、入学金6,000円(税込)も別途かかります。簿財2科目をそろえる場合は、総額を合算して見積もっておくと安心です。
- 給付金は対象コースが分かれるため、申し込むコースが指定講座かどうかを事前に確認してください。
ネットスクール「2027年度 法人税法標準パーフェクトコース」
ライブ授業と受講生専用SNS「学び舎」を軸に受験生に伴走する講座で、簿財一括標準コースなどではZOOMでの学習コンサルも用意されています。前述のとおり、アガルート税理士講座の実際の提供元でもあります。
ネットスクールのプランと料金
例として挙げるのは、法人税法標準パーフェクトコース 教材込155,800円/教材別140,600円(いずれも税込)です。前年度以前に法人税法の標準・上級コースを受講した人の再受講なら、99,500円・84,300円(税込)で申し込めます。簿記論・財務諸表論は一括標準コースやゼロ標準コースが用意されており、簿記の知識に合わせて選べます。
| 受講料(税込) | 法人税法標準パーフェクトコース 155,800円(教材込)/140,600円(教材別) |
|---|---|
| 教材・講義 | ライブ講義+翌日からのオンデマンド配信、ネットスクール刊行教材、講座オリジナル教材(直前答練・とおる模試など)、ラストスパート模試。受講生専用SNS「学び舎」 |
| 質問サポート | ライブ講義中のチャット質問、「学び舎」の質問Q&A・学習日記(簿財一括標準コースなどはZOOM学習コンサル・個別添削指導あり) |
| 返金・合格特典 | 合格まで安心制度(再受講割引)。次年度以降の受講料が半額相当で申し込める |
| 合格実績の公表方法 | 合格体験記・合格者の声を掲載(集計値の掲載なし) |
| 教育訓練給付金 | 対象(法人税法標準パーフェクトコース・簿財一括標準コースが一般教育訓練給付金制度の対象講座) |
- ライブ授業で伴走してくれる。決まった時間に授業を受けてチャットで質問でき、簿財一括標準コースなどではZOOMでの学習コンサルも受けられます。
- 再受講割引が手厚い。合格まで安心制度で次年度以降の受講料が半額相当になり、長期戦を金銭面で支えてくれます。
- 給付金の指定コースがある。法人税法標準パーフェクトコースや簿財一括標準コースが対象講座で、税法科目の負担を抑えやすい設計です。
- 例に挙げたのは法人税の単科です。簿財から始める場合は、簿記論・財務諸表論コースの価格を別途確認してください。
- アガルートと中身が近いため、両社は価格や付随サービスで選び分けることになります(アガルートとネットスクールのセクションへ)。
TAC「2027年目標 5月入学 完全合格+上級コース(簿記論・財務諸表論)Web通信」
合格者数を毎年公表している大手で、全国公開模試や答練の演習量、オンライン自習室といったサポート網の広さが持ち味です。演習をこなして本番の得点力を上げたい人に向いています。
TACのプランと料金
中心は、完全合格+上級コース(簿記論・財務諸表論)Web通信 各240,000円(税込)です。TACの会員番号を持っていない人は、入会金10,000円(税込)が別途必要になります。
税法は9月入学ベーシックコース(Web通信)で法人税法255,000円(税込)ほか科目別の設定です。5科目パックの本科生なら、1科目ずつ申し込む場合より受講料が最大40%割引になります。まず簿財を、演習量を重視して仕上げたい人向けの構成です。
| 受講料(税込) | 完全合格+上級コース 簿記論・財務諸表論 Web通信 各240,000円(入会金が別途必要な場合あり) |
|---|---|
| 教材・講義 | オリジナルテキスト・演習・答練・全国公開模試。教室/ビデオブース/Web通信/DVD通信から選択 |
| 質問サポート | 校舎での質問のほか質問電話・質問メール、公開模試、オンライン自習室「Herazika」(TAC会員対象) |
| 返金・合格特典 | 5科目パックの本科生限定で「1科目無料再受講制度」あり。過年度生向けの再受講割引(5%OFF)も |
| 合格実績の公表方法 | 2025年度(第75回)の官報合格者148名、2011〜2025年の累計4,242名を公表(合格に必要な講義・公開模試等を含むコースで受験科目の半数以上を受講した人が対象) |
| 教育訓練給付金 | 対象コースあり(簿財は8月・9月入学の基礎マスター+上級コースが対象。5月入学の完全合格+上級コースは対象コース一覧に掲載なし) |
- 直近年度の合格者数を公表。2025年度148名・累計4,242名と実数を示し、母集団の定義も添えています。
- 全国公開模試と答練の演習量。本番形式の問題を数多くこなせるため、得点力を実戦のなかで鍛えられます。
- 本科生なら1科目無料再受講制度。5科目パックで申し込む人は、再挑戦の負担を抑える特典も使えます。
- TACの会員番号がない場合は入会金10,000円(税込)が別途かかります。総額を見積もるときは、受講料に入会金を足して比べてください。
- 給付金は対象・対象外がコースで分かれます。簿財で給付金を使うなら、対象コース一覧に載っている8月・9月入学の基礎マスター+上級コースなど、入学時期も含めて確かめておくと安心です。
弥生カレッジCMC「税理士(簿記論/財務諸表論)パーフェクトセット」
簿記論・財務諸表論に絞った低価格の講座です。動画講義を中心としたWEB講座で、まずは簿財に触れてみたい人の最初の一歩に向いています。給付金の案内はありませんが、価格の手頃さという別の強みがあります。
弥生カレッジCMCのプランと料金
簿記論パーフェクトセット・財務諸表論パーフェクトセット 各44,000円、簿記論&財務諸表論セット66,000円です(税込。公式は税別価格と税込価格を併記)。翌年分も視聴できる延長オプション(簿財セットで19,800円・税込)も用意されています。低予算で簿財の学習に踏み出したい人向けの価格帯です。
| 受講料(税込) | 簿記論&財務諸表論セット 66,000円(各パーフェクトセットは44,000円) |
|---|---|
| 教材・講義 | 簿記論・財務諸表論のWEB講座(動画講義)。過去問ゼミ(各5,500円・税込)などの単品講座もあり |
| 質問サポート | YouTubeライブでの無料質問会を開催 |
| 返金・合格特典 | 常設の返金保証・合格特典はなし(キャンペーン時に返金制度が付くことがある) |
| 合格実績の公表方法 | 自社受講生の合格実績の提示は控えめ |
| 教育訓練給付金 | 対象の案内なし |
- 簿財セット6万円台の低価格帯。簿記論と財務諸表論を、負担の軽い金額でまとめて始められます。
- 動画講義と無料質問会で手軽に始められる。YouTubeライブの質問会で、わからない点を講師に聞けます。
- 対象は簿記論・財務諸表論に絞ったコースです。税法科目まで進む人は、税法を扱う講座と併用する形で考えておくと計画を立てやすくなります。
- 給付金や常設の返金・特典はなく、公式サイトでは税別価格が大きく表示されています。他社と比べるときは、併記された税込価格で並べてください。
資格試験のFIN「簿財入門コース」
簿記の知識ゼロから簿記論・財務諸表論を学ぶ入門コースを、10万円を切る価格で提供しています。機能的に色分けしたフルカラー教材と、ベテラン講師の講義が学習の軸になります。
資格試験のFINのプランと料金
選べるのは、簿記の知識ゼロから始める簿財入門コース98,000円(税込)と、日商簿記2級の合格レベルから進める簿財上級コース78,000円(税込)の2コースです。費用を抑えて簿記論・財務諸表論の基礎を固めたい初学者に向いています。今の学習レベルに合わせて入門と上級を使い分けられる点も、無理なく始めやすい理由です。
| 受講料(税込) | 簿財入門コース 98,000円 |
|---|---|
| 教材・講義 | 簿記ゼロから学ぶ入門コース。フルカラーテキスト7冊(講義データ付)・問題集7冊・理論問題のメール配信・答案練習全5回(採点・答案添削あり)。講義動画はMP4データで提供 |
| 質問サポート | 受講相談・学習内容の質問をメールで随時受付 |
| 返金・合格特典 | 返金保証・合格特典の案内なし |
| 合格実績の公表方法 | 自社受講生の合格実績の提示は控えめ |
| 教育訓練給付金 | 対象の案内なし |
- 簿財入門を10万円未満で始められる低価格。簿財に絞ることで、初学者が手を出しやすい価格に収めています。
- 色分けされたフルカラー教材。視覚的に整理されたテキストで、簿記が初めてでも要点をつかみやすい作りです。
- 簿財入門・簿財上級は、どちらも簿記論・財務諸表論を対象にしたコースです。税法まで一貫して学ぶ場合は、税法を厚く扱う講座と組み合わせる形が現実的になります。
- 給付金や返金・特典の案内はありません。価格の手頃さと、制度やサポート面の手薄さを見比べて選ぶとよいでしょう。
目的別に見る税理士講座の選び方
同じ9社でも、何を軸に選ぶかで最適な講座は変わります。ここでは代表的な4つの切り口で、向いている講座を整理します。自分がいちばん譲れないと感じる条件から読むのがおすすめです。
受験する科目数と学習範囲で選ぶ
簿財2科目だけを狙うのか、いずれ税法まで進むのかで、選ぶべき講座は変わります。簿財中心で費用を抑えるなら、低価格のスタディング・弥生カレッジCMC・FINが候補です。
税法まで一貫して学ぶなら、税法科目も開講している大原・TAC・クレアール・LECが視野に入ります。最初は簿財だけと決めていても、合格科目は積み上げていけるので、あとから税法を積み増せる講座を選んでおくと回り道になりません。
生活スタイルと学習時間で選ぶ
学習を続けられる形式かどうかは、仕上がりを大きく左右します。スキマ時間中心で進めたいなら、スマホで完結するスタディング。決まった時間に授業を受けて生活リズムを作りたいなら、ライブ授業があるネットスクールが向いています。
簿記論・財務諸表論はそれぞれ数百時間単位の学習が必要とされ、数か月から年単位で付き合う相手です。三日坊主になりにくい形式を選ぶことが、遠回りを防ぎます。
質問・添削などサポートで選ぶ
つまずきを早く解消できるかどうかで、学習の止まりにくさが変わります。あらゆる手段で質問したいなら、来校・電話・Webがそろう大原。個別にじっくり相談したいなら、ネットスクールのZOOM学習コンサル(簿財一括標準コースなど)。
Zoom生配信での講師とのやり取りを重視するなら、LECが候補になります。質問がチケット制か、回数の上限なしか。この違いが、行き詰まったときの心強さに直結する部分です。
同じ中身の講座に注意|アガルートとネットスクール
アガルートの税理士講座は、ネットスクールがサービスを提供しています。公式ページにも提供元としてネットスクールが明記されており、刊行教材・受講生SNS「学び舎」・再受講割引の仕組みといった中身が両社で共通します。ブランドは別々でも、学習体験の芯の部分はかなり近いということです。
では、何で選び分ければよいのでしょうか。ポイントは価格の見せ方と付随サービスです。アガルートは簿財一括ゼロ標準コースを教材込210,000円/教材別178,200円で用意しています。給付制度の対象は簿財一括標準コースなど一部のコースです。
ネットスクールは法人税法標準パーフェクトコースのように税法科目を単科で申し込め、合格まで安心制度(再受講割引)もそろう点が持ち味です。同じ提供元だからこそ、狙う科目と、使える割引・給付で比べると、自分に合うほうが見えてきます。
科目合格制をどう攻略するか|簿財から税法科目への進め方
税理士試験の最大の特徴は、5科目を一度にそろえなくてよいことです。1科目ずつ受験でき、合格した科目を積み上げていけます。この科目合格制をどう攻略するかで、講座選びの正解も変わってきます。
多くの受験生が、まず会計科目の簿記論・財務諸表論から始めます。理由は主に3つです。
この2科目が税法を学ぶうえでの土台になること、受験資格の制限がなくなって誰でも挑戦できること、そして簿記の学習が実務の会計処理に直結し、早い段階で役立つこと。この3点が、簿財スタートが定番になっている背景です。
簿財の次に選ぶ税法科目は、学習ボリュームと実務での使いやすさの両面で考えると失敗が減ります。法人税法や所得税法はボリュームが大きい一方、実務での登場頻度も高い科目です。
消費税法や国税徴収法は相対的に学習量が抑えめで、働きながらでも取り組みやすいと一般に整理されます。どの組み合わせが自分の目標に合うかは、就きたい仕事や事務所の業務内容から逆算すると決めやすくなります。
講座を選ぶときは、この「積み上げ」の設計との相性を見ておきましょう。掲載9社の大半は、簿財2科目を学習の入口に据えています。スタディングの簿財2科目セット、アガルートやクレアール・LEC・TAC・大原の初学者コースが、その代表例です。
一方で、税法科目まで見据えるなら、開講している科目の広さが効いてきます。スタディングは法人税法・消費税法・相続税法・国税徴収法をそろえ、クレアール・LEC・TAC・大原は税法を科目別に開講する構成です。
弥生カレッジCMCとFINは簿財が中心なので、税法は別の講座と組み合わせる前提になります。簿記が初めての人には、日商簿記の基礎講義から入れるアガルートやFINのような入門設計が、最初のつまずきを減らしてくれます。
科目合格は、一度取れば消えません。だからこそ目先の1科目だけでなく、2科目め・3科目めをどの講座で積むかまで想像しておくと、講座選びの精度が上がります。
税理士講座の合格率・合格実績を正しく読む
合格実績は、講座選びで気になる情報のひとつです。ただ、各社が公表する数字は指標も母数も定義もばらばらで、同じ物差しで並べて優劣を付けられるものではありません。ここは数字の大小より、読み方を押さえておくのが役立ちます。
たとえば大原は、2025年度(第75回)の官報合格占有率48.5%を公表しています。これは全国大原グループの数字で、合格に必要な授業や模試を含むコースを、受験科目の過半数まで受講した人を母数にしたものです。占有率という指標は、全体の合格者に占める割合を示すもので、講座ごとの合格率とは意味が異なります。
スタディングは、2017〜2025年度の累計科目合格者2,000名以上を公表しています。こちらは合格に必要な講義・演習をすべて含むコースを受講し、1科目以上に合格した人の延べ人数です。TACは2025年度の官報合格者148名・累計4,242名という合格者数を、所定のコースで受験科目の半数以上を受講した人を対象として示しています。
3社の数字を横に並べても、意味を持ちません。占有率・延べの科目合格者数・官報合格者数は、そもそも数えているものが違うからです。
母数の取り方も、報告ベースか受講実態ベースかで差があります。残る各社は合格体験記や合格者の声を掲載する形で、集計値そのものは公表していません。
読者として大切なのは、数字の大きさに引っ張られないことです。見るべきは、その数字が「どの年度の・どんな母数の・何を数えたものか」という定義の部分になります。定義まで開示している講座は、実績に対して誠実な姿勢だと受け取れます。
逆に、母数の説明がない大きな数字は、そのまま真に受けないほうが安全です。合格実績は講座選びの主役ではなく、判断を補う一つの材料として扱うと、惑わされずに済みます。
教育訓練給付金で税理士講座の受講料はどこまで下がるか
受講料の負担を実質的に下げられる制度が、教育訓練給付金です。一定の条件を満たす人が指定講座を受けると、一般教育訓練給付では受講料の20%(上限あり)が支給されるのが一般的です。
税理士講座は高額になりやすいので、対象かどうかで実質負担は大きく変わります。
ここで押さえておきたいのが、給付の対象は「スクール単位」ではなく「コース単位」で決まる点です。同じスクールでも、選ぶコースによって対象から外れることがあります。だから「この会社なら対象」と大づかみにとらえず、申し込むコースが指定講座かどうかを一つずつ確かめてください。
掲載9社が今どの区分に当てはまるかは、下の表で見比べられます。
| 区分 | 講座 |
|---|---|
| 対象(コース単位で明示) | スタディング/クレアール/ネットスクール |
| 対象コースあり(範囲は一部) | 資格の大原/TAC/アガルート |
| 対象案内なし・対象外 | LEC(現行の簿財横断コース)/弥生カレッジCMC/FIN |
対象を明示している3社を見ると、スタディングは簿財2科目・法人税法・相続税法のアドバンスパックが対象です。クレアールは簿財アドバンスレギュラー通信と法人税法・消費税法のレギュラー通信講座が指定講座、ネットスクールは法人税法標準パーフェクトコースや簿財一括標準コースが対象講座と明記されています。
大原・TAC・アガルートは、税理士講座の一部コースが対象です。アガルートは簿財一括標準コースなどが対象で、初学者向けのゼロ標準コースには対象の案内がありません。コースによって対象・対象外が分かれるため、申し込むコースが指定講座かを公式のコース検索で確認してください。
LECの現行の簿財横断プレミアムコースは対象案内が見当たらず、利用したい場合は厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムで対象講座を確かめるのが確実です。弥生カレッジCMCとFINは、給付金の対象講座としての案内がありません。
給付には申込期限や受給要件があります。受講する年度のコースで、期限内に申し込めるか、そして自分が受給要件を満たすかを、公式サイトと検索システムで確認しておきましょう。制度をうまく使えれば、20万円台のコースでも実質の負担を一段下げられます。
返金保証・再受講割引・合格特典のちがい
「返金」「割引」「お祝い金」は、まとめて特典のように語られがちですが、中身はまるで別ものです。混同したままだと、期待していた制度と実際が食い違いかねません。まずは、この3つを分けて考えてみてください。
受講料を全額返す「返金保証」をうたう講座は、9社では見当たりません。多くは、次の挑戦を金銭面で支える「再受講割引」や、合格時の「祝賀金」という形で再挑戦をあと押しする設計です。
再受講割引の代表が、アガルートの「再受講割引制度」とネットスクールの「合格まで安心制度」です。どちらも次年度以降の同科目受講料が半額程度で申し込める仕組みで、ネットスクールは半額相当と案内しています。
TACの「1科目無料再受講制度」は、5科目パックで申し込む本科生に限った特典です。いずれも、長期戦になりやすい税理士試験と相性のよい支援になります。
合格祝賀金の形をとるのがLECです。パーフェクトコースなどに合格祝賀金(1科目最高2万円)の記載があり、あわせて同一科目再受講30%ほか各種の割引もそろえています。金額や条件はコースごとに異なるため、申込ページでの確認が前提になります。
クレアールの「安心保証」は、無料の返金保証ではなく35,000円の有料オプションである点に注意が必要です。クレアールはセーフティコース・複数年コースに合格お祝い金(1科目30,000円〜)、同一科目複数年コースに初年度合格時の未受講分返金制度も設けています。大原は返金保証こそないものの、複数科目セットや継続割引で実質負担を抑える方針をとっています。スタディングは、受講した科目に合格してアンケートと合格体験談を提出すると1科目10,000円分の合格お祝い金(デジタルギフト)を用意しています。弥生カレッジCMCとFINは、常設の返金・特典を打ち出していません。
下の表で、各社の返金・特典が「再受講割引」「合格祝賀金」「設定なし」などどの型に当たるかを見比べられます。
| 講座 | 返金・特典の型 | 概要 |
|---|---|---|
| アガルート | 再受講割引 | 再受講割引制度(前年と同じコースを半額程度で再受講) |
| ネットスクール | 再受講割引 | 合格まで安心制度(次年度以降が半額相当) |
| TAC | 無料再受講 | 1科目無料再受講制度(5科目パックの本科生限定) |
| LEC | 合格祝賀金・割引 | パーフェクトコース等に合格祝賀金(1科目最高2万円)の記載+同一科目再受講30%ほか |
| クレアール | 有料オプション・祝い金 | 安心保証35,000円(有料)。セーフティ・複数年コースは合格お祝い金あり |
| 資格の大原 | 割引で対応 | 複数科目セット・継続割引など |
| スタディング/弥生カレッジCMC/FIN | 祝い金/常設なし | スタディングは合格お祝い金(1科目10,000円分)、CMC・FINは常設の返金・特典なし |
大切なのは、魅力的な言葉だけで判断しないことです。再受講割引は「次も受けること」が前提ですし、祝賀金には対象コースや申請の条件が付きます。適用範囲と条件までセットで見て、自分が実際に使えるのかを見極めてください。
税理士通信講座のよくある質問
税理士の通信講座はどこがおすすめですか?
順位で一律に決めるより、目的から選ぶほうが失敗しにくいです。
費用を最優先するならスタディング、簿記の基礎から固めたい初学者ならアガルート、実績の公表姿勢や演習量を重視するなら大原やTACが候補になります。
まずは自分が譲れない条件を1つ決めて、そこから2〜3社に絞ると選びやすくなります。
税理士は通信講座と予備校(通学)のどちらが向いていますか?
どちらが上ということはなく、生活スタイルによります。
通学は決まった時間に教室へ通う強制力と、その場で質問できる対面のよさが持ち味です。通信は費用を抑えやすく、時間の自由度が高いのが利点になります。
大原・TAC・LECのように通学の校舎を持つスクールもWeb通信を用意しているので、両方の要素を組み合わせる選び方もできます。
税理士の通信講座の費用はどのくらいかかりますか?
簿記論・財務諸表論の2科目で、6万円弱から20万円台後半まで幅があります。
スタディングは59,800円から、LECの簿財横断プレミアムコースは一般価格で272,800円という具合です。価格差は、教材や答練の量、質問できる回数、給付金の有無から生まれます。
対象コースなら教育訓練給付金で実質2割ほど下がるので、給付金のセクションもあわせて確認してください。
税理士試験は独学でも合格できますか?
簿記論・財務諸表論は市販教材が充実しており、独学の余地もあります。
ただ、理論の記述には添削が効きますし、答練で本番の時間配分に慣れる効果も大きいです。とくに税法科目は、講座のサポートがあると学習が安定しやすくなります。
費用を抑えたい人は、簿財だけ独学、税法は講座という組み合わせも現実的です。
税理士講座のランキングはそのまま信じてよいですか?
うのみにせず、3つを確認するのがおすすめです。
何を基準にした順番か、合格率を根拠にしているならその母数や定義が各社でそろっているか、広告の枠と評価が区別されているか、の3点です。
とくに合格率は算出方法がばらばらで、そのまま比べられません。くわしい理由は合格率のセクションで確かめてください。
簿記の知識がなくても税理士の通信講座を始められますか?
始められます。日商簿記3級・2級レベルの基礎講義を含む初学者向けコースがあります。
アガルートの簿財一括ゼロ標準コースやクレアールの初学者コース、FINの簿財入門コースが、その入口です。会計科目の簿記論・財務諸表論は受験資格の制限もなくなっており、挑戦しやすくなっています。
簿記が初めてなら、基礎から積み上げる設計の講座を選ぶと安心です。
教育訓練給付金は税理士の通信講座でも使えますか?
対象コースなら使えます。給付はコース単位で決まり、指定講座を受けると一般教育訓練給付で受講料の2割ほどが戻るのが目安です。
スタディング・クレアール・ネットスクールは対象コースを明示しており、アガルート・大原・TACも一部のコースが対象です。一方で弥生カレッジCMCやFINは対象講座としての案内がありません。
申し込むコースが指定講座かどうかは、給付金のセクションと公式サイトで確認してください。
まとめ|自分に合う税理士講座を絞り込む
講座選びで本当に大事なのは、順位の付いた一覧の上から選ぶことではありません。自分が譲れない条件を決めて、その条件で候補を絞ることです。9社を同じ項目で並べると、どこに強みがあり、どこが手薄かがはっきりします。
- 簿財2科目の費用は6万円弱から20万円台後半まで。価格差の正体は、教材や答練の量、質問できる回数、給付金の有無です。
- 質問サポートが手厚いのは大原とネットスクール。来校・電話・個別コンサルまでそろい、つまずきを解消しやすい体制です。
- 合格実績は各社で母数や定義が違い、そのまま比べられません。数字の大小より、算定条件を開示しているかを見てください。
- 教育訓練給付金はコース単位。対象コースなら実質2割ほど下がり、対象の案内がない講座もあります。
- 返金・特典は条件とセット。多くは再受講割引や祝賀金で、無料の返金保証はほとんどありません。
税理士試験は、数年かけて科目を積み上げる長い道のりです。だからこそ目先の1科目だけでなく、2科目め・3科目めをどの講座で続けるかまで見据えると、途中でぶれずに済みます。
費用で選ぶのか、初学者サポートで選ぶのか、演習量で選ぶのか。軸を1つ決めれば、候補は自然と2〜3社に絞れます。
最後に、次の一歩を1つだけ。気になる講座が絞れたら、早見表に戻って、自分が重視する視点に△が付いていないかを確かめてください。そのうえで、価格や対象コースは改定や割引で動くので、申し込む前に各社の公式サイトで内容を確認しておくと安心です。


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