古文は面白い~高校生のモチベーション
2021年04月02日
「大臣、かわいい(笑)」高校3年生の生徒との授業で
「モチベ上がったわ」
授業の終わりにそう言って帰っていきました。
4月1日の授業。
桜もあちこちで見かけるようになったのをみて「今昔物語集」の授業を行いました。
「今は昔」といういつもの出だし。
小野宮の大き大臣が、土御門の権の中納言に桜の風景を見て、和歌を詠むように促すというお話。
品詞分解をして、現代語訳を行いながら、たとえ話をしていきました。
大臣は〇〇、上達部は△△や☆☆かな。中納言は□□。
「中納言なやむなー。わかるわー(笑)」
「大臣、かわいい(笑)」
「社長(帝)が来る前に、会議場(南殿)で、雑談してる感じ」
「そういうことかぁ」
今も昔も、人々のやり取りの根底は同じ。
私は、このお話が好きです。
登場人物がみんな、そこに息づいて存在を近くに感じます。
中でも、大き大臣はかわいらしいんです。
きっと、周りの若い上達部にも好かれているでしょう。
太政大臣という朝廷の最高位についており、和歌を極めた人だと評判になっていながらも、中納言の歌をほめたたえ、これ以上の歌なんて詠めない、と悩む。
偉ぶらない、親しみやすい人柄が感じられます。
なんとなく、思い浮かぶ顔もあったりして。
文章を読むことは、大きな意味での出会いです。
古文も、現代文も、英文も。
読めるものが増えるのは、出会いが増えるということです。
読むことを楽しみましょう。